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ハルの記録

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うさぎ座の下で

先日、当選した公営住宅の内見に行ってきた。
建物は古いし、お風呂や洗面所は狭くて昭和風の造りだが、
建物と造りが古いだけで、壁も床も窓も綺麗だった。
それにしても駅が近い。
徒歩5分かからない。

公営住宅の鍵を貰うときに、説明会がある。
そこでは、住宅公社の職員や、当選した公営住宅の責任者(職員ではなく住人)と話をすることが出来る。
私は具合が悪くて行けず、母だけが行った。
母づてに聞いた責任者の方の話では、住人の中にはそんな変な人はいないとのことだ。
後日、別の住人の方にも挨拶に行ったが(これも私行けなくて母だけ汗)、
その方も、ここの住人はみんないい人だし、便利なところで気に入ってると言っていたらしい。

うん、引っ越そう。

しかしこんなに早く引っ越しすることになるなんて。
クリスマスや正月は今のアパートではなく、公営住宅で迎えるのだ。
未だに信じられなくて、妙な感じだけど、まあやっていくしかない。

数ヶ月前、私宛てに封書が届いた。
某金融機関からの封書だ。
内容は大したことはない。電子化に伴い紙でのお知らせが減るだとかそういう内容だ。
しかし、この封書は某金融機関から直接届いたものではない。父経由で届いた。
重要なお知らせかもしれないとこちらにわざわざ送ってきてくれた。
ということは、父は未だにあの家に暮らしているのだ。
もう二度と戻りたくないほど、心を削がれたあの家に。

私の実家である"あの家"には、今、祖父と父の二人が住んでいる。
祖父は自分にしか関心のない人で、息子である父はネグレクトされていたと思う。
おそらく今も、挨拶もろくに交わさないだろう。
家事も二人ともしないから、家の中はめちゃくちゃ汚いと思う。
さらに付け加えると、あの家がある場所は結構な田舎で、車無しでは暮らしていけない。
最寄り駅もコンビニも片道徒歩30分近くかかるし、坂道も多い。
父の勤務先までは、待ち時間等含め電車で1時間はかかるだろう。
それでも、父はあの場所に住み続けるのだ。

そして私名義の某金融機関の口座は、都合で口座を作った場所まで出向かないと色々手続きが出来ないそうだ。
引っ越す前か後か、とにかく近いうちに一度、あの家の近くを訪れなければならない。

昨日久しぶりに夜空を見上げた。
空気が澄んでいたようで、珍しくオリオン座の南にあるうさぎ座がはっきり見えた。
星が綺麗、寒いな、不安だな、明日の夕飯○○なの嬉しいな・・・。
こういう心の機微を、どこでどんな生活をすることになっても大切にして生きていきたいと、うさぎ座の下で思った。


《追記》

私が今住んでる場所とこれから住む予定の場所より、私の実家の方が田舎なのでうさぎ座を見つけるのは容易い。けど父は見つけることは出来ないし、うさぎ座という星座があることも知らないだろうし、知ろうともしないだろう。
そんな父を、私はわらう。

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